片岡タイムズ

片岡タイムズ

GSL編集部、UPSETでの活動記録

『バスケットボールの家庭教師』株式会社ERUTLUCのイヤーエンドパーティー

3/18(土)『バスケットボールの家庭教師』で知られる株式会社ERUTLUCのイヤーエンドパーティーがシネマイクスピアリ(千葉県浦安市舞浜)に参加。

 

◇同社の理念、掲げているミッション
・「より多くの子ども達になりうる最高の自分を目指す環境を提供する」
・「チームスポーツだからこそできることで教育に貢献する」
・「世界で最もビジョナリーなコーチチームを作る」

 

 

鈴木代表の著書『バスケットボールの教科書<1>~<4>』では、「理念を体現するには、それに相応しい仕組み(評価のシステム、環境創りなど)」とある。参加者として、そこに注目して参加した。

 

◇プログラム

 

①年間功労者発表

 

社内での評価制度。優れた指導員の表彰。理念と連動した表彰項目が非常に面白かった。表彰制度で指導員同士の競争を煽る」というよりかは、讃える感じ。それは、各表彰の発表方法からも感じれたし、受賞者に対して、指導員同士で温かな拍手や、声援でも感じれた。
表彰プログラムのロゴには”Thank you for your contribution to the mission of our company”
(会社の理念の体現に貢献してくれてありがとう!)みたいな言葉もあるので、妙に納得。そもそも、表彰の仕組みも指導員同士の投票だったり、選考側の指名だったりで使い分けていた印象。詳しくは割愛。

 

②卒業コーチのスピーチやセレモニー


出身地に戻って教員をするなり、別の活動へとステージを移す方の表彰制度。謝辞、決意、先輩、後輩の温かな交流が見られた。ここでは、「指導員の育成制度」の仕組みを感じれた。詳しくは割愛。

 

③代表の鈴木良和氏のスピーチ。

 

「これまで」と「これから」。「これから」の比較としたディズニーランド。そして、「これからを実現していく為の、歩みの進め方(理念の体現)」で、鈴木さんらしい、着実な視点。ビジョナリーカンパニー「規律の文化」などに関連。

 

「これまで」の成果や成長の中には、鈴木良和さん以外の指導員による書籍の発刊・監修、千葉、東京、埼玉などでの「定期指導者勉強会」(指導者向けの講演会、勉強会)などが進んでいる事も紹介された。「世界で最もビジョナリーなコーチチームを作る」。力強い。「世界で最もビジョナリーなコーチチーム」。非常に痺れる言葉だ。

 

他にも参考になる事ばかり。だが、詳しくは割愛。

株式会社ERUTLUC様の今後の活動に注目しつつ、自分も勉強していきたい。

株式会社ERUTLUCさんの海外事業プロジェクト部門では、2006年世界選手権 スペイン代表コーチのインタビュー記事など、どれも面白いので、(なんか偉そうですが、、)、まだ見ていない人がいたら、お勧めです。

あと、『ビジョナリーカンパニー』を読みたいのですが、毎度、難しくて断念。「バスケの教科書」シリーズを熟読して、新しい視点や具体例を沢山頂いたのですが、何かアドバイスがあれば教えて頂きたい次第。

※詳しくは割愛、という部分が多かったのは、後日、詳しくレポートする予定だからです。

<参考>
海外事業プロジェクト 各スペシャルページ

レポート全体
http://www.basketballtutor.com/overseas-project/

ペップ・エルナンデス氏について
・2006年世界選手権でスペイン代表を初の金メダルに導く
http://www.basketballtutor.com/news/…
http://www.basketballtutor.com/news/6585#.WNuzODuLQ2x

Dave氏
伝説の指導者ジョン・ウッデン氏から学んだこと
http://www.basketballtutor.com/news/5704#.WNuzVjuLQ2x

ジョン・ポール・ターナー
・U-13スペイン代表のヘッドコーチ。
・U-15スペイン代表のアシスタントコーチも兼任するコーチ。
http://www.basketballtutor.com/news/6589#.WNu1EzuLQ2x

Euro basketball Academy Coaching Clinic The Pace up game~How to make players run the floor~"

【次回は5/11(木)@大宮北 Euro basketball Academy Coaching Clinic 】

"The Pace up game~How to make players run the floor~"をテーマとして開催された今月のEuro basketball Academy Coaching Clinic。

 

「早く見えるチームは多いが、決して、早くはないよ」という少し過激なコメントで提示された本テーマに対し、実際の講義での問題提起やクリニックの構成は事務局の私にとっても非常に興味深かった。コピーとしては非常にキャッチーなのだが、過激にならず、必要以上の煽らないよう、案内文などには留意したつもり。

 

それに対する答えの1つは(答えはこうだ!イヤァオ!!!)、ペースを上げるべく、コーチが選手に指示を出す際、それの背景についての問題提起。ただ単に、攻防の切り替えを早くして走る事を要求したり、それが出来なければ叱責をする。ペースを上げる事の意義、ペースを上げた際の狙いどころが未整備なままで、やみくもに走らせることに終始しているケースもあるのではないか、という事。

 

その上で、個人の領域で必要とされるファンダメンタルスキルが紹介され、続いて、ディフェンスリバウンドからのファーストブレイクの基本的な構造が紹介された。個人スキルとしては、トランジションオフェンスの中でのVision(視野の広さ)、そしてDecision making(状況判断)の不足を指摘。フロアで実施されたドリルでは、ファンドリルの要素も織り交ぜながら、上記2項目を強調するドリルも紹介された。

 

ファーストブレイクでは、アウトレットパスに対する基本的な判断基準や、走るレーンの一例が紹介。そして、これこそが「やみくもにダッシュをするだけではダメ」と語る背景には、シュートセレクションなどの判断における非常にシンプルだが分かりやすい基準が提示された。詳しくは本投稿では割愛。

 

さて、そんな盛り沢山のクリニックを終え、次回のテーマはPreview World Cup U-19 Japan's opponents(Spain,Canada,Mali)""として、講義中心の構成。

 

2017年7月にエジプトはカイロで世界選手権を控えるう19日本代表男子チームの対戦国であるスペイン、カナダ、マリに焦点を当てた内容。世界のバスケットボールでのトレンドを紹介しつつ、上記3ヵ国のオフェンス・ディフェンスの基本コンセプトの紹介。

 

そして、ここは非常に面白い内容になるのではないかと思うのであるが、各国の選手構成や、選手の特徴と、チームの戦術コンセプトの関連性なども紐解き、コーチが戦術を選定、導き出す中での思考プロセスなどの一例などについても言及できれば、との事。

 

What(こういうバスケットをやっていて、日本のコーチも、こういうバスケを知るときっと指導現場での役に立つはずだ)という部分に対して、How・Why(どのように、なぜ、そういうバスケを志向するのか?)という領域までの話を構想している様子。

 

※当然の前提として、話せる内容、話せない内容があると思いますので、対戦国に焦点を当てた上で、クリニック用にアレンジした内容であると思われます。

 

月に一度、遠方からの参加者も非常に多い Euro basketball Academy Coaching Clinic を通じての発見や、学びの機会を最大化したい事務局としては、これは、本クリニックの情報発信領域の周辺にいる方々に、予習しやすい環境を用意しなければ、と不思議な使命感が働き、夜な夜な、上記3チームの映像リンクを確保することに成功。

 

日本がアジア予選でレバノンチャイニーズ・タイペイ、イランなどと激戦を制したように、欧州、アメリカ大陸、アフリカ大陸でも激戦が拡げられていた。2016年夏頃の大陸予選の映像を下記に列挙。

 

アンダーカテゴリーで選手の育成カリキュラムだけではなく、チームを率いた中でも実績が出て、評判・評価(・・と書くと、凄く偉そうですが。。。)いる中だからこそ、クリニックでの伝達内容に対する反論や、講義前の様々な仮説や、それの検証作業の1つとしてのクリニックの活用など、アクティブで攻撃的な思考を導き出す上で、スムーズな作業の一助になれば幸い。

 

「ロイブル氏は講習の中で、こうだって言ってるが、俺の考えは違う!何故ならば、ほにゃららで、ほにゃららだから」

「その分析は浅い。もっと、クリニックでは言えない部分を隠し持ってるんじゃないか?ちょっと講義後に聞いてみよう」

 

刺激溢れる講習会になって欲しいと事務局としては思っている次第。

 

<動画資料>

U19 カナダ対USA
https://www.youtube.com/watch?v=8-L_k5nIS2M
※カナダはアメリカ代表とも非常に競った試合をしており、大会で上位進出が予想されるチームの一つ。非常に強い。

 

U19スペイン代表 欧州予選での映像リンク
https://www.youtube.com/results…
※言わずと知れた世界の強豪国。この世代のスペインの選手は既にプロチームでプレーしており、20代後半~30歳前半などの主力選手と共に非常に高い強度でプレーしているのが特徴。日本の選手は、厳しい環境の中で日々を送っている選手と対峙する必要がある!

U19マリ代表
https://www.youtube.com/results…
※すいません!分かりません。アフリカの強豪であるアンゴラも出場予定。2006年に日本代表も対戦してますよね??

 

<参考>

Euro basketball Academy Coaching Clinic
5/11(木)19:15~@大宮北高校

Preview World Cup U-19
Japan's opponents(Spain,Canada,Mali)
・International trends
・Different concepts(offence&defence)

U-19ワールドカップでの対戦国について
最近のバスケットボールのトレンドを踏まえながら、スペイン、カナダ、マリ、それぞれのチームの戦い方のコンセプトについて

講師:ロイブルさん

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トピックスについて

◇次回のテーマは、U19世界選手権での対戦チームのプレビューという事で、何処の部分にフォーカスしてのクリニックになりますか??

各チームの基本的な戦術コンセプトの中から、コーチの方が知っておくと有益であると思う部分を紹介する予定。また、各チームの構成選手の特徴と絡め、「なぜ、その戦術を採用しているか」という部分まで話を出来ればと思っています。コーチが、オフェンス、ディフェンスの戦術を考え、基本コンセプトを考えるプロセスの参考になれば。次回は講義中心のクリニックとなります。

※U19世界選手権を控えておりますので、お伝えできる部分、出来ない部分があるのではないかと思われます。あらかじめ、ご了承ください。

5/11 Euro BBA詳細・概要
https://www.facebook.com/events/1375130422507034/

追伸
Euro basketball Academy Coaching Clinic の公認ポロシャツ、第一弾発注者用のウェアが完成しました。お手元に届くのをお楽しみに!第2回も受付予定です。

 

 

 

LEGRO と LIGHTzがサッカーの未来を拓く 分析 AI【FINED(ファインド) 】

人工知能を活用した新次元プレーヤーの育成
LEGRO と LIGHTzがサッカーの未来を拓く 分析 AI【FINED(ファインド) 】の共同開発を開始

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経済産業省スポーツ庁のデータによると、日本のスポーツビジネス市場規模は、現状の5.5兆円から2025年には15兆円規模にまで拡大することが見込まれているようです。そんな中、スポーツの業界(UPSET)で働かせて頂いていると、パワフルで魅力のある方々にお会いする機会に恵まれます。

 

冒頭に記載をした分析AI【FINED(ファインド) 】の共同開発を進める株式会社 LEGROの代表取締役である相原大介さんも、その中の一人。

 

株式会社 LEGROは、サッカーのジュニアスクール運営、指導者支援、海外へのフットボール留学支援を事業としている会社。

 

以前、相原さんには現在の事業、事業を通じて実現を目指している事を伺った。特に、サッカーの指導法に関する哲学では、競技の特性や本質を考え抜かれており、多角的な視点、洞察力に圧倒されるばかり。サッカーという混沌とした競技の中、選手が適切な判断を出来るような様々な視点や考え方を伝授されているお話を伺った。今回、冒頭に記載をした【FINED(ファインド) 】という分析AIにも、そのエッセンスを活用していくらしい。(恐れ多くも、私も、様々な方に教わって、自分も納得できたバスケットボール勘や、悪戦苦闘する中で自分の中で感じている競技の特性をお伝えしたりもした)

 

株式会社LIGHTzは、AIによる熟達者ノウハウの技能継承 サービスを提供する事業をしており、バレーボールなどの分析ソフト開発などで大きな実績がある会社様らしい。

 

本件は、サッカーの分析AIに関するプレスリリースであるが、バレーボール、サッカーと続き、バスケットボールや、他のスポーツなどへの展開も視野に入れている様子。なので、もし、バスケットボールの分析畑の人や、科学的なデータの活用や、AIとバスケットボールの領域への活動に興味のある人には、是非、共同開発の全体像が分かる、非常に読み応えのあるプレスリリースのPDFファイルを読んで頂きたい。

 

本件で興味のある方には、プレスリリースの内容や詳細をお伝えできるので、ご一報下さい。
※情報量が非常に多く、SNSには向かない/自分では表現しきれないので、サラッと記載。

 

追伸


株式会社LEGROさんが掲げる「LEGROが大切にしている考え方や価値観」、最上段にある価値観の表現が非常にわかりやすくて好き。https://www.legro.co.jp/

 

① “目標となる未来”から今を考えます

現在の延長線上にある(笑顔と成長機会が多いとは言えない)未来を認識した上で、それとは異なる、持続可能で目標となる未来の姿を想定し、その実現のために今やるべきことを考え実行します。

 

この、「現在の延長線上にある(笑顔と成長機会が多いとは言えない)」という部分のきめ細かな言語表現が大変印象に残る。相原さんに言葉のチョイスの理由を伺った事もある。それに対しても非常に論理的に回答を頂いた。未来から逆算して今を考える思考をする際も、現在の延長戦上にある未来との対比だと、よりリアルになるし鮮明だ。笑顔と成長機会が多いとは言えない、という括弧書きも分かりやすかった。

※相原さんだけの写真が無かったので、自分も映ってる写真で代用。パターンランゲッジという考えで、コーチングの初心者の方が陥りやすいアレコレを編集した独自の冊子を制作されている。

Number925号 アドラー心理学

最新号のNumber925号にはバスケット関係記事が多い。


1つは、お馴染みの宮地陽子さんNBAコラム。数十年ぶりにサウスイーストディビジョンで優勝をしたワシントンウィザーズについて。2つ目は、ゴンザカ大学で奮闘する八村塁選手、1年目の総括や、ゴンザカ大学の心温まるエピソード。そして3つ目は「10代と向き合うために大人が出来る事」というテーマで女子の萩原美樹子さん、ERUTLUC鈴木良和さん。


本号は「嫌われる勇気」・「幸せになる勇気」で広く知られるようになったアドラー心理学をテーマとしている。書籍共著の著者である岸見一郎と古賀史健氏も記事や対談記事で登場。


アスリート、スポーツコーチとアドラー心理学の親和性に着目し、各スポーツ選手のエピソードを織り交ぜながら解説を中心に記事が続く。卓越した成果を出しているアスリートの価値観や言動を、『目的論』・『課題の分離』・『共同体感覚』・『競争からの解放』・『横の関係』というキーワードを軸に解説している。


荻原、鈴木両氏が登場する「10代と向き合うために大人が出来る事」内での記事では、アドラー心理学の中でスポーツコーチングに有効な考え方などを踏まえた上で、鈴木さん、荻原さんの指導哲学が紹介されている。バスケットの教科書シリーズでも登場したルーマンの教育人間論も。スポーツの指導者は選手の人事権を握っている状況に着目し、体罰が発生してきた日本のスポーツ界の文脈も分析。その上で、ご自身が目指す指導者像が語られる。詳しくはNumber誌で。


話題になった書籍という事で「嫌われる勇気」・「幸せになる勇気」もそれなりには読んでみた。スポーツのエピソードと絡むと分かりやすいことも多く、その時には気が付かなかった発見も多く、スポーツを通じて知識が少し増えたような感じがするので有難い。


追伸
アスリートと読書の項目では100年に一人の逸材、棚橋氏もも登場。『シンプルに考える』(森川亮さん著)も紹介されてました。


そして、毎度ながら、柴山幹郎さんのスポーツ映画コラム『映画はスポーツが好き』は面白い。今回はティン・カップ。大好きな映画「俺たちダンクシューター」が紹介された時は涙が出るほど嬉しかった。

 

 

 

トム・ホーバスHC(女子代表)新体制

 

トム・ホーバス氏をHCとし、新体制の女子日本代表チームの記者会見が行われました。チームスローガンには「Relentless」も!

Relentless(リレントレス)といえば、GSLです!?!?
マイケル・ジョーダンのトレーナーとして活躍されたティム・グローバー氏も書籍の中で使用していた単語となります。

 

GSL内のRelentless(リレントレス)記事の一覧をご紹介します。

http://goldstandardlabo.com/…/%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%…/

【通算得点歴代3位】コービー・ブライアントは何故偉大になれたのか?
http://goldstandardlabo.com/bl…/2014/…/15/kobe-bryant-great/

新年度の決意を後押しする「伝説のトレーナー」ティム・グローバーの言葉
http://goldstandardlabo.com/blog/2014/04/14/decide/

ティム・グローバーが語る、成功者が持つ13のメンタリティ
http://goldstandardlabo.com/blog/2014/03/19/relentless/

『リレントレス 結果を出す人の13の法則
ティム グローバー (著), シャリ レサー ウェンク (著), 栗野 譲 (翻訳)』


※島根でプレーする、あの栗野選手による翻訳本です!!

 

<参考>


■トム・ホーバス ヘッドコーチ
「チームスローガン」
Out work, Out think, Out play; Play as One; Relentless

 

・Out work(鍛え)日本のバスケット常識では当たり前にできていることであり、世界よりも秀でている点
・Out think(考え)考えるバスケットが必要
・Out play(戦い抜く)試合中に緊張したり、考えすぎて足が動かなかったりせず、とにかくチームプレイに徹することが大事
・Play as One(チーム一丸)バラバラになってしまったら間違いなく負ける。日本が世界で勝つためにもチーム一丸となって戦わなければならない
・Relentless(不屈)絶対に負けないためにも、オフェンスもディフェンスもトランジションも40分間止まらない

 

 

『玉座を狙う男』スコッティ・ピッペン、『玉座に座った王』マイケル・ジョーダン

【『玉座を狙う男』スコッティ・ピッペン、『玉座に座った王』マイケル・ジョーダン

 

以前に投稿した通り、GSL編集部の佐良土が翻訳を務めた書籍『』が販売中です。また、同じくGSL編集部の片岡(株式会社アップセット所属)の書評がNBA.comに掲載中です。

 

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[書評]『マイケル・ジョーダン ~父さん。僕の人生をどう思う?~』――読者の闘争本能を焚き付ける刺激に満ちた一冊(片岡秀一)
http://www.nba.co.jp/…/book-revi…/1bbniftigyjg31imj7v8i1nowg

 

ここでは、NBA.com内には文字数の関係で紹介できなかった印象的なエピソードを紹介します。シカゴ・ブルズのHCとなったフィル・ジャクソンの最初のトレーニングキャンプでの出来事であり、アシスタント・コーチのバックの証言を基にしています。

 

 

私の考える本書籍の魅力は、マイケル・ジョーダンを取り巻く豊富なエピソードや関係者の悪戦苦闘や工夫を垣間見れる部分です。これは本当に一例で、非常に730ページの中に様々な逸話が詰まってます!!

 

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マイケル・ジョーダン ~父さん。僕の人生をどう思う?~』より。CAPTER22(P.390周辺)「トランジション」よりエピソードの抜き出し。ジョニー・バックのコメントは原文のまま。

 

 

◇私はいつもスコッティを『玉座を狙う男がいる』と言い、マイケルを『玉座に座った王』と言っていた。

 

シカゴ・ブルズのヘッドコーチに就任したフィル・ジャクソン。最初のトレーニングキャンプでは何よりもディフェンスを重視したプログラムを組んだ。それは、ニューヨーク・ニックス時代の自身のプレースタイルにも起因する。コートの端から端まで走り続ける選手だった。

 

「フィルの最初のトレーニングキャンプは一番きつかった。練習はディフェンス志向で、何をしてもまずディフェンス側からスタートして、オフェンス側に動いていくんだ。フィルは基本的に僕たちをプレッシャー型のチームにしようとしていたんだ。ディフェンシブなチーム。それがフィルの知る勝利への道だったんだ」とはジョン・パクソンの言葉。

 

フィル・ジャクソンは、ブルズでフルコートのプレッシャーディフェンスをしようとしていたと本人も語っている。その中で、競り合いによる集中力が必要だった。その中で着目したのがジョーダンとピッペンの関係。ピッペンは入団当初からジョーダンと競わされていたが、フィル・ジャクソンは、その優先度を高めた。

 

アシスタント・コーチのジョニー・バックの証言を引用。

 

「フィルがコーチを引き継いだことで、マイケルとスコッティ、それから正しい選手が正しく混じりあっているように感じた。厳しい競争だった。マイケルは毎日スコッティの前に立ちはだかった。フィルはスコッティをベストチームに、マイケルをレギュラーではないチームに入れて戦わせることを何度もやったんだ。熾烈な戦いだった。フィルは、あからさまではなく、静かに実行しようとしていた。大抵で10本選手のゲームで、負けるとダッシュなどのちょっとした罰ゲームがあった。マイケルが1ゲームでも落とそうとものなら、彼は「もう一回やろう」と言うだろう。それで我々は10本選手のゲームをもう1回やる事になる。多分それは、完全にフィルの思惑通りだったんだろう。だけど、彼はいつもこんな風に答えるんだ。「そうだな、、どうだろうか。やれるかどうかわからないが・・・・よし、そうだな。やりたいっていうならいいだろう」とね。」

 

 

続いて、2004年に行われた別のインタビューでのバックによる当時の述懐。

 

「ああやって競わせる戦力は見事だったよ。私はいつもスコッティを『玉座を狙う男がいる』と言い、マイケルを『玉座に座った王』と言っていた。スコッティは、ああいう風に万で良かったと思うよ。来る日も来る日も激しくプレーしていたんだ。フロアのトップでのプレー、ボールを運ぶプレー、長く伸ばした腕を使って相手をディフェンスで苦しめる事。スコッティはマイケルと同じような、どこか喜びに満ちたような表情をしていたよ。競争を楽しんでいたんだ」

 

ピッペンは凄く成長した。毎日マイケルとプレーしなければならなくなったんだ。誰にとっても頭が痛い話だ。練習は当時凄い緊張感だったよ」

 

マイケル・ジョーダン 父さん。僕の人生をどう思う?』
http://www.toho-pub.net/product_info.php?products_id=809

 

<参考>
シカゴ・ブルズを支えた名コーチ ジョニー・バックさんについての宮地陽子さんの追悼記事。

http://www.nba.co.jp/…/yoko-miyaj…/cmmrm2o19zl51nb3gha01ekvt

 

(記事投稿者:株式会社アップセット/GSL編集部 片岡秀一)

MIT Sloanスポーツアナリティクス・カンファレンス(MIT SSAC) 2017

【MIT Sloanスポーツアナリティクス・カンファレンス(MIT SSAC) 2017】

 

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昨今、日本のバスケットボール界でもスタッツ解析などの手法が注目されている。各プロチームでも、アナリスト、テクニカルスタッフなどの役職が登場するようになった。

 

そんな中、ボストンでは、統計の領域からスポーツの様々な領域(ゲームの評価・分析、選手の評価、戦術、チケットセールス、選手の健康管理など)に関する大規模なカンファレンス”MIT SSAC (Sloan Sports Analytics Conference”が開催されている。11年目を迎え、今年の参加者は3500人近くに及んだという。

 

MIT Sloanスポーツアナリティクス・カンファレンス
http://www.sloansportsconference.com/current/

 

 

上記HPよりパネルディスカッションや、スピーチの概要などを見る事が出来る。バスケットボールの話題も非常に多い。NBAコミッショナーであるアダム・シルバー氏や、Basketball on Paperの著者としても知られるディーン・オリバー氏、女子バスケ界のレジェンドであるスー・バード、GSL編集部の佐良土氏も愛してやまない(DUKEファン)のシェーン・バティエ、ゴールデンステイトウォーリアーズのGMとして素晴らしい成功を収めているボブ・マイヤー氏なども登場。また、ユニフォームスポンサーの導入で話題になった76ersからは、ビジネス部門の担当者が登場し、事業戦略などのスピーチもあった様子。
(末尾、バスケット関係の項目などを抜き出してリストを制作)

 

 

日本でも、スポーツビジネスに関わる方々が渡米をして参加した模様。先日、その参加者でもある株式会社ユーフォリアの橋口寛さん、宮田誠さんによる報告会が開催され、GSL編集部(株式会社アップセット所属)の片岡も参加した。

 

 

株式会社ユーフォリア様は、ラグビー日本代表の体調管理クラウド「ONE TAP SPORTS(ワンタップ・スポーツ)」などの開発なども行っている。その為、今回の報告会は選手のパフォーマンス管理や、評価方法などの領域が中心となるが、非常に興味深い内容が並んでいた。

 

 

<報告会で取り上げられたトピックス(1部)>

①Avoiding Tommy John: How the MLB has used Better Data and Training Methods to Reduce Elbow Injuries
トミー・ジョン(肘の手術)を避けるための研究。故障の原因を膨大なデータから分析。その結果をもとに、年齢に応じた投球制限の指標や、ガイドラインなどを発表。このデータに基づいて投球制限などを決定している連盟などもある模様。

 

②The Science of Sleep

睡眠時間と、パフォーマンスの関係の分析結果の報告。スタンフォード大学バスケットボール部を対象とし、睡眠時間がパフォーマンスに与える結果なども登場。競技レベルが高くなればなるだけ必要となる時差への対応についても、科学的なデータをベースとして戦略の提案なども。

 

③Moving the Kickoff: How Data Around Concussions Led to a Rules Change in the Ivy League

脳震盪のリスクを下げるためのルール改定の提案や、その導入事例などの紹介。アメリカンフットボールの競技特性をなるべく失わないままに、学生にとっての選手生命だけではなく人生にも大きな影響を与えかねない脳震盪のリスクを減らすための取り組み事例の報告。

 

④NHLのマーケティング戦略について
四大スポーツの一つであるNHLが、リーグのマーケティング戦略の中で、何を、どのように戦略的に取り組んで成果を上げているかの報告。

 

 

などなど。

 

 

MIT SSACそのものも、競技や研究領域を超えて、異なるバックグラウンドを持つ方々が集い、コミュニケーションをする事が開催の目的であるともいう。日本で開催された報告会も、競技、業種、研究領域を超えて、様々な方々が集った。報告会終了後に設けられた懇親会でも、非常に活発な議論が交わされていた。主催者の株式会社ユーフォリア様としても、MITSSACを題材として、様々な交流を促進するのが目的の一つだという。

 

 

過去の項目については動画なども公開されている。もし、来年度の参加に興味のある人がいれば、上記サイトなどで情報をチェックしておくと非常に有益だと思われます!!

 

 

<MIT SSAC内でのバスケット関係の項目メモ>

NBAコミッショナーであるアダム・シルバーとのトークセッション
NCAAのスポーツビジネスの機会を最大化する方法について
NBAの新しい労使協定、TV放送との契約について
76ersの新しいビジネス(ユニフォーム契約など)について
NBAが様々な事業構造を決定する際に、統計データをどのように活用しているか
統計データを活用した、プレイヤーの評価システムの活用。
代理人による、選手とチームの契約交渉について
パフォーマンスを維持する方法(Sustaining Greatness)

・・・などなど(多数!!!

 

 

MIT Sloanスポーツアナリティクス・カンファレンス(MIT SSAC) 2017 報告会イベントページ
https://www.facebook.com/events/1416719928390043/

 

 

(投稿者:GSL編集部/株式会社アップセット 片岡秀一)