片岡タイムズ

片岡タイムズ

GSL編集部、UPSETでの活動記録

ルカ・パヴィチェヴィッチさん

年末のJBAカンファレンス、1月中旬のB. DREAMプロジェクトの選手向けを通じて、男子日本代表のテクニカルアドバイザーのルカ・パヴィチェヴィッチ氏の講義とクリニックを受講する機会に恵まれた。

どちらも印象に残ったのだが、B. DREAMプロジェクトではプロバスケットボール選手を目指す選手に対しての講話?も実施。非常に現実的で、具体的な話が印象に残った。既に重点強化指定選手の合宿がシーズン中に開催されている。2月のイラン戦はルカさんがHCを務めて国際試合に挑む。

運営委員長(?)の塚本氏の弁「今、日本男子バスケット界でルカ氏の指導を受けたのは日本代表の重点強化指定選手の方々と、このB.DREAMプロジェクトの参加選手のみ」確かに。

イラン戦が非常に楽しみ。

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『プロを目指す選手に伝えたいこと』
※注 実際はもっと濃厚で、もっと詳細までありました。あくまでも受講者である自分のメモから一部だけ書き起こし。

<心構えの部分>

①「自分の能力を分析し、判断する。プランを持ち、そして強い気持ちで遂行する」

世の中には様々な世界が存在している。バスケットボールもその中の一つ。全てを成し遂げることは出来ない。自分は何がしたいのか、何が出来るのかを見極め、それに対してプランを持って物事に取り組むこと。18歳から25歳というのは人生の素晴らしい時間。

もし、プロになれたならば、良い友人、彼女、専門的な知識を持ったパートナーを持つことが重要だ。資産管理に関するプロ、資産管理のマスタープランを共に立案してくれるプロが必要だ。プロのキャリアはあっという間に終わる。これに関してもプランを持つことが大切だ。

②「常にコート上で技術を磨く」

常に向上心を持たなければならない。そして、オフコートでもプロフェッショナルでなければならない。食事は適切か?ファーストフードばかり食べていないか?、睡眠はどうだ?きちんと適切な睡眠時間を確保しているか?、そういう事にも気を付けることが必要。

※当日の僕のノートを見ると「宿題やれよ、歯磨けよ、飯食ったか、早く寝ろよ=ドリフ」と書いてありました。何を聞いていたんでしょうか。。

③「プロの世界に入ったら、トップレベルのコンディションが必要。一人では成し遂げられないことを知り。良い師、良いパートナーを持つ」

一人で成功することは難しい。資産管理と同様に、コンディションの面でも、良きパートナーを見つけることが大切だ。良いトレーナーを見つけなさい。良いトレーナーと共に仕事をしなさい。バスケットボールは、高いフィジカルが要求されるスポーツだ。コンタクトもあるし、走れなければ何の意味もない。良いトレーナーを見つけなさい。良いトレーナーのいるチームでプレーしなさい。

プロになりたいのであれば、良いトレーナー、、良いドクター、良いセラピストを見つけることが大切です。

スキル、戦術の部分でも、良きコーチを見つけることが大切です。良いスキルコーチのいるチームに入りなさい、良い戦術を使うコーチが指導するチームでプレーしなさい。

<戦術理解の部分>

「プロとアマチュアを分けるのは、次の3項目。なので、君たちは、これを良く理解して習得しないといけない。①Spacing、②Timing、③Excute(遂行する力?)だ。今日の実技クリニックでも、そこを何度も指導するのでしっかりと理解してほしい」

<クリニックの内容>
※詳しくは割愛

・ゲームの中でのシチュエーションを想定した個人スキル
ファーストブレイクの考え方について
・ハーフコートオフェンスでのスペーシングについて
・・PnRを絡めたスペーシングについて

<最後のメッセージ>

・健康であることが大切。食事、睡眠、その他のこと。健康である為の努力をしよう。
・幸運に恵まれる事が大切。それを呼び込む準備をしている人が幸運に恵まれる。
・バスケットボールは地上で最も美しいスポーツ。ドンドン進化する。学ばないといけない。
学ぶことが無ければ上達は無い。参加しているコーチの方も、もっともっと学ばないといけない!You must learn Basketball!!!

 

 

【“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA) ワークショップレポート<その4>】】

【“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
ワークショップレポート<その4>】】

 

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前回に引き続き、フィル・ジャクソン氏の言葉を紹介。『The Power of Double-Goal Coaching』(『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』:スポーツコーチングイチシアチブ内で販売中)と著書『イレブンリングス』(翻訳:佐良土茂樹※GSL研究員)より。

 

『The Emotional Tank(感情タンクを満たす)』の項目では、コーチが選手に接する際の細かな注意点などについて紹介されている。その中でも、Magic Ratioとして、選手に指導を受け入れてもらうための、褒めと注意の喚起の比率についての具体的な説明もあった。

 

◇ホーレス・グラントとの関係について(『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』の序文より

 

我々の関係には不和が生じていて、ホーレスと私は新しい領域に到達しなければならなかったのです。その頃、ジムの本に出会い、ポジティブ・コーチングが私の人生に影響を及ぼしました。5:1の比率、つまり、褒める=5:批判=1の割合ですね。ええ、その頃、ホーレスと私の間では、褒める=1:批判=3でした(笑)。そこで私は、それをかなり努力して、褒める=2:批判=1にしました。5:1にすることはどうやっても出来ませんでした。というのは、つまるところ、選手たちはプロ、卓越したパフォーマンスをどうしても期待されますから。ですが。2:1にしたところ、ホーレスと私の関係は素晴らしいものになったのです。その後の展開は、皆様良くご存知のように、本当に良い経験をさせてもらったと思っているます」

 

(引用終わり)

 

◇「俺は疲れたんです。アンタのウィッピングボーイでいる事に」(『イレブンリングス』より)

P.120 

その前年、ジョニーは私に、チームを奮起させるためにホーレスを「ウィッピングボーイ(鞭で打たれる少年)」として使ったらどうかと提案した。これはプロチームでは極めて普通に行われれる事だった。事実、私もニックス時代に少しの間、その役割を演じた事がある。ウィッピングボーイとは要するに、ほかのプレイヤーたちが互いに結束するモチベーションを高めるために、一人のプレイヤーを選んで、勇敢にも非難される負担を引き受けさせることである。私はこの種の旧来のコーチングを全面的に支持していたわけではなかったが、試してみるのにやぶさかではなかった。プレイヤーたちは、ホーレスを慕っていたし、もしホーレスが酷く攻められたら、彼の周りに集まって見方をするだろうという事は分かっていた。さらに、ジョニーは、ホーレスを固く信頼しており、彼がプレッシャーに耐えきれるだけのタフな男であることを保証した。

私たちは、このアイデアをホーレスに説明し、彼はその話に乗った。当初は。

彼は子供のころから海兵隊になりたいという夢を抱いていた。だから、その激しい試練は彼の心に訴えるものがあったのだ。しかし、時がたつと彼は非難されることに苛立ちを覚えるようになった。そしてその事態が窮地に陥ったのは、セブンティシクサーズとの第3戦、第3クォーターだった。

ギリアムは試合の間中、ずっとホーレスの背中を当てこすり続けてポジション取りをさせないようにしていたが、審判はそれをめこぼしていた。最終的にホーレスが欲求不満のあまりに仕返しに出た時、審判はそれに気づいてファールをコールした。私が激怒した。

ホーレスをゲームの外に引っ張り出し、セブンティシクサーズにまんまとやられた事に対して、激しく声を荒げて彼を非難した。ホーレスは叫び出した「俺はもう疲れたんです!アンタのウィッピングボーイでいることに」それから彼は、普段にはない調子で私を罵り始めた。(引用終わり)

次回は、PCAワークショップ参加者の中から、バスケット関係者の感想などを掲載予定。全体としては、ラグビーや野球のコーチが目立つ今回の中でバスケット関係者も熱心に勉強していた。PCAの記事や、賛同者には、米国のバスケット関係者も多い。

 

 

(レポート:ゴールドスタンダード・ラボ 編集部・研究員/株式会社アップセット 片岡秀一)

 

<参考>
スポーツコーチング・イニシアチブHP
http://sports-coach.jp/about_pca/

ポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
日本初開催ワークショップ 活動報告(2017年2月10日~14日)記事(同団体内)
http://sports-coach.jp/pca-workshop2017_report/

『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』の購入ページはこちら。
http://sports-coach.jp/2016/10/09/products_dcg/

ハラスメント、暴言、そして体罰のないスポーツ教育の普及をめざすスポーツコーチング・イニシアチブ 小林忠弘さんインタビュー記事(世の中を変える(かもしれない)想いとアクションに出会えるWebメディア 70seedsより)
https://www.70seeds.jp/coaching_197/

フィル・ジャクソン氏とPCAのエピソードは下記特集サイトでも詳しい(会員限定、無料登録可能)
スポーツ指導は「少しほめ過ぎ」ぐらいがちょうどいい理由
若者スポーツのコーチ法を覆した社会起業家のメソッド「PCA」とは(日経ビジネス
著:渡邊 奈々さん
http://business.nikkeibp.co.jp/art…/report/20150327/279259/…

GSL内 PCAレポート<その1>
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1396292853727529

GSLの関連記事
・デレック・フィッシャーとバスケットボールの正しいやり方
http://goldstandardlabo.com/blog/2014/07/29/derek-fisher/
フィル・ジャクソン新たなる旅路へ −ロード・オブ・ザ・”イレブン”リングスを振り返る−http://goldstandardlabo.com/blog/2014/06/23/eleven-rings/

【“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA) ワークショップレポート<その3>】】 前回の投稿では、PCA(Positive Coaching Alliance)のミッションや、課題認識、それに対してのアプローチ方法、それを実現する為に彼らが提唱しているコーチング哲学の全体像を紹介した。 今回では具体例と共に紹介する。PCAのNational Spokesperson でもあるフィル・ジャクソン氏が

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前回の投稿では、PCA(Positive Coaching Alliance)のミッションや、課題認識、それに対してのアプローチ方法、それを実現する為に彼らが提唱しているコーチング哲学の全体像を紹介した。

 

今回では具体例と共に紹介する。PCAのNational Spokesperson でもあるフィル・ジャクソン氏が、PCAの書籍『The Power of Double-Goal Coaching』(『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』:スポーツコーチングイチシアチブ内で販売中)に寄せた序文と、著書『イレブンリングス』(翻訳:佐良土茂樹※GSL研究員)より。バスケットのエピソードと絡める事で、読者の方が何かしらの発見が出れば嬉しい限り。

 

改めて、前回の内容を箇条書きで紹介した上で、下部に該当箇所を引用した。

 

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<Positive Coaching Allianceについて>
※あくまでも講演や、書籍からの簡単な整理です。

 

◇目的・ミッション・スローガン
・「ユーススポーツを変革せよ、さすればスポーツは若者の変革をもたらす」
・Better Athletes, Better People”

 

◇認識している問題

・ユーススポーツをする人の70%が、13歳までに完全にやめてしまうデータがある。スポーツは、本来であれば素晴らしい体験や経験をもたらすはずのスポーツ体験が、必ずしも、選手にとって幸せな空間ではない事を示唆するのではないか。

 

・勝利を追求するという名目のもと、怒鳴り屋のコーチや、際限なくネガティブな姿勢を表に出すコーチのやり方が世の中に受け入れられ、正当化され、称賛を集める事がある。

・悪気はないものの、本来の目的に反するやり方で若い選手と接してしまい、選手は萎縮をし、やがて競技を嫌いになり、スポーツから離れてしまうケースも発生している

・スポーツは「瞬時に思考-行動の切り替えを要求する状況の繰り返し」という特性も持つ。純粋な楽しさを享受すると同時に、人間の成長を促す素晴しい機会と捉えているとPCAは信じているが、上記のような事例があまりにも多いと思える。

 

◇PCAのアプローチ

・選手が「勝つ事」と「良い人間になる事」の両立を実現させられる指導方法や哲学の提唱
(=“Better Athletes, Better People”)

・スポーツを通じて前向きな態度を持つ能力を育んだ選手は、社会生活の中でも「より多く、より早く学習する」「より良い決断ができる」「逆境に強くなる」「常に前進する」という特徴を持った人間になれる。それこそがアスリート(スポーツに打ち込んできた人間)の最大の魅力。

※反対に、ネガティブな態度や考え方が染みついている人は「たった今、目の前で起きていることに集中できない」「今、取り組んでいることから心と頭が離れてしまう」という事が多い。

・3つのキーワードがPCAの基礎。『The ELM Tree of Mastery(熟達達成の為のELMツリー)』・『The Emotional Tank(感情タンクを満たす)』・『Honoring the Game(試合への敬意)』

 

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ここでは、『Honoring the Game(試合への敬意)』のROOTSのケースでフィル・ジャクソンの考えを紹介したい。「The Power of Double-Goal Coaching」(邦題『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』の序文では、「この書籍はコーチにとって、競技性の高いスポーツに道徳的な面で優れた手段を用いつつも、選手たちからより良い結果を引き出す為に非常に実用的な書籍であるといえます。コーチたちがこうしたポジティブな形でのモチベーションを日常的に持ち続けると、チームのやる気は上がり、貪欲な選手が増えることが分かっています。」という前提の上で、下記のような言葉を寄せている。

 

フィル・ジャクソンの考える「「Honoring the Game」(試合を尊重する)」。シカゴ・ブルズでの活用例

 

 

具体的には、私たちのコーチ、親、そして選手たちはジムが提唱する「Honoring the Game」(試合を尊重する)為に必要な「ROOTS」の考え方を身につけなければなりません。

 

ROOTSとはすなわち、"Respect for the Rules", "Opponents", "Officials", "Teammates", そして "Self" のことです。そしてこの試合を尊重することは如何なるレベルのスポーツでも必要なことです。

私はこの相手を誇りに思うコンセプトが有効であると実感できた個人的な経験があります。1990年、私のChicago BullsはDetroit Pistons に3試合連続で敗北を喫していました。私たちはEastern Conference のプレイオフ試合で第一、第二、そして最終ラウンドまで負け続けました。

 

こういった状況で感じる虚しさのなかでは、Pistons "Bad Boys" に対して嫌悪感を抱く事は容易でした。

毎年、目に余るファウルやベンチを一掃するほどの取っ組み合いなどの衝突が起こり、結果として当時我々のチームで若きスター選手だった Scottie Pippen選手の脳震盪につながりました。

これによって、私たちは相手チームへ純粋な怒りを覚えましたが、これにより本能的に私たちのチームは一丸となり機能することができるようになったのです。

私はDakotas の Lakota から学んだいくつかの事を使ったのです。
彼らには宿敵がCrowに居たのですが、彼らはそれを尊重し誇りに思うようにしていたのです。これは彼らがそれと戦う事は、勇敢さと狡猾さとチームワークを必要とさせるからでした。
私はその考え方を使ってみたのです。
その衝突は互いの強みを最大限引き出しました。

すなわち、Pistonsの様な身体的に強い相手との競争の中では、苛立ちや怒りを覚え虚しさに足掻くよりも、団結力ややる気、そして忍耐力とチームワークをもって相手と対峙することにしたのです。
私たちはPistonsの競争力を誇りに思い(称え)、それを自分たちにとって良いように作用させることができ、NBA王者に六度輝くことができました。

(引用終わり)

 

また、『イレブン・リングス』の中では、同じ時期の出来事を下記のように表現しています。

 

ラコタ族の考え

 

シーズンが進んでいくに従って、私はゆっくりとラコタ族の習慣をチームに紹介し始めた。そのいくつかは非常に些細なものだった。毎回の練習の初めに、チームの中核ーー選手たちとコーチ、トレーニングスタッフーーーをコートのセンターサークルに集め、その日のチームの課題についてディスカッションをする。そして、私たちは同じように練習を終える。

 

ラコタの戦士たちは、いつも円の隊形で集まる。なぜなら、縁は宇宙の根源的な調和のシンボルだからである。ラコタ族の有名な賢者であるブラック・エルクは、それをこう説明している。

 

「自然の力が織りなすすべては、縁という構造の中にある。大空は丸く、大地もまたボールのように丸いものだと聞いている。そして、星々も、、、・。太陽は、縁の運動の中で現れ、沈んでいく。月もまた同じように動き、どちらも円を描く。季節でさえも、移り変わり、またいつも元の場所へ戻ってくるという巨大な縁を形成している。人間の一生は、子供時代から子供時代まで円を描いており、このように、それは力を及ぶすべてに言えるのだ」

 

ラコタにとっては、敵も含めて、あらゆるモノが聖なる存在である。なぜなら、生きとし生ける全ては、根源的に繋がっていると信じているからだ。それがラコタが他の部族を征服しようとしない理由だ。彼らは敵を棒でつついて回数を競う(カウンティング・グウ)馬を盗む襲撃に参加する、捉われた仲間を救出するというような、勇敢な行動をすることにより強い関心を持っている。ラコタにとって、戦いに参加することは、ゲームに興じるように喜びに満ちた経験なのである。もちろん、掛け金は段違いに高いゲームであるが。

 

(中略)

 

私たちは、何もかにも賛同したわけではない。しかし、私たちは高いレベルでの信頼を作り上げ、プレイヤーたちを売れ入れて欲しいと思っているチームワークを定義する事に専念した。

 

いうまでもなく、コーチという職業は、多くのコントロール願望持ちたちを引き付ける。彼らは、あらゆる人間に自分が群れのボスであることを常に意識させる。私自身も御多分に漏れる、そういう人間だと思われてきた。しかし、私が数年かけて学んだことは、最もコカ的なアプローチは可能な限り権限を委譲する事であり、同様に他のすべてのプレイヤーにリーダーシップの技術を身に着けさせることである。それが出来た時、チームの結束と、他の選手の成長を生み出すことが出来るだけではなく、逆説的だが、私自身のリーダーとしての役割も強めてくれるのだ。

 

(引用終わり)

 

次回は、『The ELM Tree of Mastery(熟達達成の為のELMツリー)』について、フィル・ジャクソンとホーレス・グラントのエピソードを紹介します。

 

 

(レポート:ゴールドスタンダード・ラボ 編集部・研究員/株式会社アップセット 片岡秀一)

 

<参考>

スポーツコーチング・イニシアチブHP
http://sports-coach.jp/about_pca/

ポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
日本初開催ワークショップ 活動報告(2017年2月10日~14日)記事(同団体内)
http://sports-coach.jp/pca-workshop2017_report/

『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』の購入ページはこちら。
http://sports-coach.jp/2016/10/09/products_dcg/

ハラスメント、暴言、そして体罰のないスポーツ教育の普及をめざすスポーツコーチング・イニシアチブ 小林 忠広 (Tadahiro Kobayashi)さんインタビュー記事(世の中を変える(かもしれない)想いとアクションに出会えるWebメディア 70seedsより)
https://www.70seeds.jp/coaching_197/

フィル・ジャクソン氏とPCAのエピソードは下記特集サイトでも詳しい(会員限定、無料登録可能)

スポーツ指導は「少しほめ過ぎ」ぐらいがちょうどいい理由
若者スポーツのコーチ法を覆した社会起業家のメソッド「PCA」とは(日経ビジネス
著:渡邊 奈々さん
http://business.nikkeibp.co.jp/art…/report/20150327/279259/…

GSL内 PCAレポート<その1>
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1396292853727529

GSL内 PCAレポート<その2>
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1406993669324114

GSLの関連記事
・デレック・フィッシャーとバスケットボールの正しいやり方
http://goldstandardlabo.com/blog/2014/07/29/derek-fisher/
フィル・ジャクソン新たなる旅路へ −ロード・オブ・ザ・”イレブン”リングスを振り返る−http://goldstandardlabo.com/blog/2014/06/23/eleven-rings/

“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA) ワークショップレポート<その2>

【“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
ワークショップレポート<その2>】

 

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以前に投稿をした、スポーツコーチング・イニシアチブ主催のPCA(Positive Coaching Alliance)ワークショップについて、2月10日(金)に原宿if spaceで行われた講義内容の要点を軸に、簡潔に説明を試みたい。

 

■「ユーススポーツを変革せよ、さすればスポーツは若者の変革をもたらす」

 

PCAは「ユーススポーツを変革せよ、さすればスポーツは若者の変革をもたらす」をミッションとする団体である。“Better Athletes, Better People”がスローガンである事は前回の投稿のとおり。

 

◇スポーツの特性は「瞬時に思考-行動の切り替えを要求する状況の繰り返し」

この日のワークショップで講師を務めたTony Asaro、そして、小冊子『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』によると、彼らは、少年・少女のスポール体験を非常に価値のある、人生の中で貴重な経験を詰める場であると信じていることが分かる。スポーツの特性を「瞬時に思考-行動の切り替えを要求する状況の繰り返し」と分析し、そうであるから、人間の成長を促す素晴しい機会と捉えているからだ。

 

だが、彼らが参考にした研究結果の一つには、ユーススポーツをする人の70%が、13歳までに完全にやめてしまうデータがあった。PCAにとっては、それは由々しき事態であり、本来であれば素晴らしい体験や経験をもたらすはずのスポーツ体験が、必ずしも、選手にとって幸せな空間ではないことに問題意識を持っている。

 

◇怒鳴り屋のコーチや、際限なくネガティブな姿勢を表に出すコーチのやり方が世の中に受け入れられ、正当化され、称賛を集める事は良い事なのか?

 

例えば、勝利を追求するという名目のもと、怒鳴り屋のコーチや、際限なくネガティブな姿勢を表に出すコーチのやり方が世の中に受け入れられ、正当化され、称賛を集める事すらある。また、悪気はないものの、本来の目的に反するやり方で若い選手と接してしまい、選手は萎縮をし、やがて競技を嫌いになり、スポーツから離れてしまうケースも発生している。

 

◇「勝つ事」と「良い人間になる事」の両立を目指す。「たった今、目の前で起きていることに集中できない」「今、取り組んでいることから心と頭が離れてしまう」ネガティブな状況を作り出さない

 

それを解消しようと、PCAが推奨するのが「「勝つ事」と「良い人間になる事」の両立を目指し、選手を導く「ダブル・ゴール・コーチ」である。その結果、スポーツを通じて、ポジティブな人間性を育むことが出来ると語る。PCAの指すポジティブな態度とは、「より多く、より早く学習する」「より良い決断ができる」「逆境に強くなる」「常に前進する」という特性を持った人間であり、「それこそがアスリート(スポーツに打ち込んできた人間)の最大の魅力」を意味する事も触れておきたい。
(ちなみに、ネガティブさを「たった今、目の前で起きていることに集中できない。」「今、取り組んでいることから、心と頭が離れてしまう。」と位置づけ、文字通り、ポジティブの対義語としている)

 

 

◇“Better Athletes, Better People” PCA哲学を実現する3つのキーワード

 

「ダブル・ゴール・コーチ」を実現する為にはを3つのキーワードが重要となる。ワークショップでは、その内容についても、時折に参加者同士のディスカッションや質疑応答を交え、インタラクティブな中で進められた。『The ELM Tree of Mastery(熟達達成の為のELMツリー)』、『The Emotional Tank(感情タンクを満たす)』、『Honoring the Game(試合への敬意)』の3ワードが、それである。

 

The ELM Tree of Mastery(熟達達成の為のELMツリー)のELMとは、Efforts, Learning, bouncing back from Mistakesの頭文字。それぞれ、努力、学習、ミスから立ち直る強さ、を意味する。他人の状況や、環境に左右される「結果の目標」ではなく、「行動の目標」に焦点を合わせる事である。バスケットボールの世界でいうと、サンアントニオ・スパーズのGregg Popovichが提唱するパウンディング・ザ・ロック(Pounding the Rock)。の哲学に近い部分もあるかもしれない。

 

『The Emotional Tank(感情タンクを満たす)』とは、選手の精神状態やエネルギーレベルに留意し、それが高まることを支援するための考え方や行動をコーチが取るための指針である。批判や称賛の手法や、必ず守るべき原則、コーチが省みるべき言動のリストが紹介される。その中の一つに「許可を求める」という哲学がある。これは、選手に批判や提言をするときに、「もしかしたら、君の成長を促すかもしれないアイデアがあるのだけど、話をしても良いかい?」と選択の余地を与える事。頭ごなしではなく、選手の立場を尊重していることを示すためにコーチに必要な礼儀である、という考え方だ。

 

また、称賛と批判にも適切な割合があるらしい。シカゴ・ブルズで初期3連覇を成し遂げた主要メンバーの一人であり、B.LEAGUE開幕戦でも来日をしたホーレス・グラントとフィル・ジャクソンの関係に詳しい。これについては次回で紹介する。

 

最後は『Honoring the Game(試合への敬意)』である。ROOTSという単語に哲学が凝縮されているが、それぞれ、Rules(規則・ルール)、Opponents(対戦相手),Officials(オフィシャル),Teammates(チームメイト),Self(自己)の頭文字。この5項目を尊重することで、試合への敬意を表す。そして、それこそが選手自身を成長させる近道である。特に、Opponents(対戦相手)には「対戦相手は、自分たちがより良くなる為のギフトだ(A worthy opponent is a gift.)」という考えが込められている。非常にスポーツマンシップに溢れる考え方だと感じた。※2

ここでは、簡単な説明に留める。より詳しく知りたい方は、冒頭に記載した小冊子『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』に詳しい。

 

以上が、「「勝つ事」と「良い人間になる事」の両立を目指し、選手を導く「ダブル・ゴール・コーチ」の基礎的な哲学である。次回は、GSLでも関連の深い『イレブンリングス』より、3つのキーワードに関する内容の具体例を紹介していく予定。

 

『ダブル・ゴール・コーチングの持つパワー』の購入ページはこちら。
http://sports-coach.jp/2016/10/09/products_dcg/

 

 

<参考>

※1
Pounding the Rock

“When nothing seems to help, I go look at a stonecutter hammering away at his rock, perhaps a hundred times without as much as a crack showing in it. Yet at the hundred and first blow it will split in two, and I know it was not that blow that did it, but all that had gone before.”

「救いがないと感じたとき、私は石切工が岩石を叩くのを見に行く。おそらく100回叩いても亀裂さえできないだろう。しかしそれでも100と1回目で真っ二つに割れることもある。私は知っている。その最後の一打により岩石は割れたのではなく、それ以前に叩いたすべてによることを。」

 

※2

スポーツマンシップ

 

Celebrate Humanity Campaign 2001
by International Olympic Committee

You are adversary,but you are not my enemy
Foy your resistance gives me strength
Your will gives me courage
Your sprit ennobles me

And though I aim to defeat you,should I succeed,
I will not humiliate you.

Instead I will honour you,
For without you,I am a lesser man.

あなたは私の対戦相手、でも決して敵ではない
あなたの抵抗が、私を強くしてくれるから
あなたの決意が、私に力をくれるから
あなたの精神が私を高めてくれるから

あなたを倒す事、それが私の目標だけど、
たとえその目標を達成しても
あなたの誇りを決して傷つけたりしない

それどころか、あなたを心から尊敬するだろう
あなたがいなければ、私はちっぽけな人間に過ぎないのだから。

(『「尊重」と「覚悟」を学ぶスポーツマンシップ立国論』著:広瀬一郎より)

 

 

スポーツコーチング・イニシアチブHP
http://sports-coach.jp/about_pca/
ポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
日本初開催ワークショップ 活動報告(2017年2月10日~14日)記事(同団体内)
http://sports-coach.jp/pca-workshop2017_report/

ハラスメント、暴言、そして体罰のないスポーツ教育の普及をめざすスポーツコーチング・イニシアチブ 小林忠弘さんインタビュー記事(世の中を変える(かもしれない)想いとアクションに出会えるWebメディア 70seedsより)
https://www.70seeds.jp/coaching_197/

GSL内 PCAレポート<その1>
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1396292853727529

(レポート:ゴールドスタンダード・ラボ 特別研究員/株式会社アップセット 片岡秀一)

“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA) ワークショップレポート~その1~

【“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
ワークショップレポート~その1~】

 

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2月10日(金)原宿if spaceにて、スポーツコーチング・イニシアチブと一般社団法人アショカ・ジャパンとの共催により、ポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)のワークショップが開催された。

 

ポジティブ・コーチング・アライアンスとは、「勝つこと」と「良い人間になる」の両立(ダブル・ゴール・コーチング)を目指すコーチング哲学や手法を通じて、ユース世代のスポーツ体験をより素晴らしい時間にする事を目指す米国NPO団体。“Better Athletes, Better People”を合言葉とし、ジム・トンプソン氏が代表を務める。

 

2月10日から14日に渡り、都内各地で開催されたポジティブ・コーチング・アライアンスのワークショップは非常に盛況で多くの参加者が集まった。スポーツコーチング・イニシアチブ代表者がラグビー、ポジティブ・コーチング・アライアンスのジム・トンプソン氏が野球の出身という事もあるのか、同競技のコーチや関係者が目立った。

 

ポジティブ・コーチング・アライアンスのHPなどを拝見すると、バスケットボール界でも非常に著名なコーチがアドバイザリーボードメンバーとして名を連ねる事からも、その認知度の高さが伺える。

 

同団体のHPなどを拝見すると、バスケットボール界でも非常に著名なコーチがアドバイザリーボードメンバーとして名を連ねる。バスケットファンであれば、以下に挙げる方々の名前を見る中で、PCAが提唱する価値観を連想しやすいかもしれない。

 

マイアミ・ヒートなどで究極のロールプレイヤーとして活躍をし、優勝リングをつかみ取ったSHANE BATTIER、マイケル・ジョーダンとのライバル関係で知られるJOE DUMARS、ボストン・セルティックスを見事な手腕で指揮するBRAD STEVENS、ゴールデンステイト・ウォーリアーズの指揮官STEVE KERRなどが並ぶ。さらには、アメリカ代表チームのキーマンであるJERRY COLANGELO、何よりも、シカゴ・ブルズロサンジェルス・レーカースでの活躍で広く知られるフィル・ジャクソンはPCAのNational Spokespersonとして、書籍の前書きも担当しているほどだ。どうやら、ポジティブ・コーチング・アライアンスとバスケットボールとの関係は非常に深そうだ。

今回、少なからずバスケットボール界のコーチの参加者の姿も見受けられた。GSL内でもイベントの告知を協力させて頂いたが、まだまだ認知度は低い。

 

 

今回より数回に分けて、ポジティブ・コーチング・アライアンスのワークショップの様子や、参加したバスケットコーチの感想、そして共催団体であるスポーツコーチング・イニシアチブ代表の小林氏に焦点を当てたレポート記事を投稿していきたい。

 

アスリート・ファーストが掲げられ、目先の勝利よりも、選手の将来を見据えた指導方針を持つ事の重要性が語られるようになった。指導者ライセンスの整備も急速に進んでいる。競技の現場では、ゾーンディフェンスの禁止、マンツーマンディフェンスの推進など、バスケットボール界にも新しい動きが昨今は盛んである。今回のワークショップで語られた事は、そういう時代の中で、一つのヒントになるように感じた。

 

勿論、ポジティブ・コーチング・アライアンスの哲学が唯一無二の指導哲学であると主張するつもりは無いし、あくまでも筆者の感想を交えたレポートになる。繰り返しになるが、フィル・ジャクソンが書籍の前書きなどを務める活動である。非常にバスケットボールトの親和性も高そうである。

 

<参考>

スポーツコーチング・イニシアチブHP
http://sports-coach.jp/about_pca/

ポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
日本初開催ワークショップ 活動報告(2017年2月10日~14日)記事(同団体内)
http://sports-coach.jp/pca-workshop2017_report/

(レポート:ゴールドスタンダード・ラボ 特別編集員/株式会社アップセット 片岡秀一)

 

 

 

 

“Better Athletes, Better People” ポジティブ・コーチング・アライアンス

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“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
ワークショップレポート①
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1396292853727529

“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
ワークショップレポート②
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1404274896262658

“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
ワークショップレポート③
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1406993669324114

“Better Athletes, Better People” スポーツコーチング・イニシアチブによるポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)
ワークショップレポート④
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1407004672656347

Dave Taylorさんが再来日

【Dave Taylorさんが再来日】

 

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「エースプレイヤーだとしてもチームの理念やルールを逸脱していれば理由を説明してベンチに座っていてもらえばよい。目の前の試合には負けるかもしれないが、出場する選手はコート上での役割が増えて成長の機会となる。ベンチに座っている選手にも、映像や理由と共に、コーチの哲学を伝える。きちんと伝われば、彼にとっても成長の機会となる。(目の前の)勝利を追うか、選手の成長を追うか。その違いだけ。負けたとして、何か問題でもあるのでしょうか?」

 

「もし、チームの理念や大切にしている価値観に納得して頂けないなら、その選手にはチームを去ってもらうしかない。全ての人を幸せにすることは出来ないのだから」

 

「コーチやチームが大切にしている価値観や理念を明確にしてスタートすることが必要だ」

 

「John Woodenさんは、相手チームのスカウティングよりも、自分のチームのスカウティングを重視していた。自分のチームがどうすれば、より良くなるかを常に考える。そこが他のコーチとの違いであると思う」

 

「高校の指導をしている際、大差で勝ったことを報告した。点差よりも、よりよく出来る事は他にないのか、選手、指導者はベストを尽くしたかどうかを質問された。John Wooden氏の哲学を改めて感じる機会であった」

 

Dave Taylorさんが再来日します。主な活動は、St. Mary's International Schoolで開催されるTokyo Skills Basketball Camp。キャンプディレクターは、知る人ぞ知るKris Thiesen。

 

詳細は下記(UPSET内のページ)

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1245478005529366&id=242505029160007

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1242656369144863&id=242505029160007

※UPSETでもキャンプTシャツを制作中。協賛・協力・応援イベント。見学を希望するコーチの方の参加枠も調整中です。参加選手への映像フィードバックなどもあり、きめ細かい。

 

上記は、1年前のキャンプや指導者講習会で語っていた印象的な言葉。”WINNING VS DEVELOPMENT!””「勝利か育成か?」というコラムでも語っている内容のとおり、ご自身のスタンスや価値観が明確。

 

補足。タイトルは「勝利」と「育成」の2項対立。ですが、決して、育成という言葉を理由に勝利を目指さないという事ではありません。簡潔に言うと「その試合だけ勝てばいい」という思想の否定。コラムの中では、「育成をしながら勝利を目指す」中でコーチに必要とされる資質や仕事が書かれています。一言でいうと「コミュニケーション」。世間話を増やそうとか、プロレスの話題で盛り上がろうとか、流行りのギャグで楽しませようとか、そういう類ではありません。チームの価値観、理念、指針の説明。成長を考えた際の、選手への指針の説明、保護者との共通認識などです。(この辺がコラムの中に書かれてはいませんが)試合には負ける事もある。その時の、負け方の美学や、どのように取り組むか、その部分の指導哲学に対して確固たる哲学を持っています。

 

 

昨年は、ERUTLUCさんの主催・共催・協力などでクリニックと指導者懇親会(居酒屋での質疑応答)、「アメリカ育成の光と闇」「ジョン・ウッデン氏から学んだこと」などをテーマに「指導者講習会」を実施。今年も何か開催できるかは、、Daveさんのスケジュールとで調整中です。

 

ERUTLUCさんレポート記事
(アメリカ育成の光と闇、ジョン・ウッデン氏から学んだこと)
http://www.basketballtutor.com/news/5704#.WMJIATuLQ2w
http://www.basketballtutor.com/news/5724#.WMJIFzuLQ2w

 

昨年は、気仙沼市から袖野君が参加。「将来を見据えた育成重視の指導方針と、目の前の試合の勝敗」との折り合いなどで、色々と思案中のテーマとも深くリンクしたようです。その数か月後、気仙沼市で開催されたバスケの勉強会のテーマは「Daveさんの講演会で学んだこと。気仙沼や沿岸地域の育成環境を考えよう」というテーマで袖野さんが講義。その旨を相談した際、Daveさんからビデオメッセージも頂きました!!ビデオメッセージを聴き、翻訳しながら、協力を惜しまないDaveさんの熱意に感動。いつまでも大切にしたい、僕にとっても貴重な出来事でした。

 

<Dave氏からビデオメッセージの翻訳>

気仙沼の皆への挨拶、袖野講師との出会い
②コーチに必要な資質、コミットメントする姿勢
③2種類のコーチ。Dave氏のスタンス。見解。
「育成」を標榜するコーチが行うべきこと、学び続ける姿勢
④MVPはいらない!というDave氏の考え方
気仙沼のコーチへのメッセージ。

※「負ける事が、何か問題なの?」「理念に同意できないならばチームを去ってもらうしかない。全ての人を幸せに出来ない」などのコメントはジュニアチームの選択肢の有無、試合形式などが日米では異なるという前提での発言をご了承ください。